給炭設備 その5

給炭設備 ガントリークレーン

  国鉄の機関区では巨大な給炭槽が設けられている所が多かった。「鉄道辞典」の記述によると、給炭槽には標準型として100t、150t、240tの3種がある。寒冷地では溜まった水が凍結するので、炭槽下部を加熱する等の対策を採っていたようだ。石炭の補給にはガントリークレーン、高脚ジブクレーン、スキップホイスト、バケットコンベヤなどが使われる。なお旧国鉄では、高架の給炭槽があったり機械で積み込みをしている場合でも、「平棚式石炭台」の設置が義務付けられており、機関区には必ず一日の総使用量が乗る程度の石炭台が設置されている。
 ガントリークレーンは、橋型のアームを持ち、機械室や操作室の位置、脚部の形状が異なる幾つかのタイプがある(図右上)。いつごろから普及したのかは定かでないが、昭和30~40年代には、釧路、旭川、滝川、長万部、五稜郭、青森、盛岡、一ノ関、秋田、酒田、新庄、米沢、仙台、平、水戸、高崎第一、新鶴見、上諏訪、長野、中津川、富山、亀山、奈良運転所、梅小路、吹田第一、竜華、姫路、広島第二、糸崎、若松、早岐などの機関区で使用されていた。     上左=平機関区、下左=富山機関区、下右=高崎第一機関区

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