本原で分岐して右の線路が真田へ向かう。終点までの3kmは平均33‰を越す、この鉄道で一番の急勾配区間である。
終点真田の駅は、正面に菅平へと続く険しい山がそびえたっている。駅構内は平らだが、手前も駅の向こうも急坂になっており、特に車止めのすぐ先は車輌の窓高さあたりに田圃があって、奥に向かって段々に高くなっているのが目立つ。普通の地方私鉄の駅というよりも登山電車の終着駅であるかのような印象があった。
構内には3本の線路があるが(構内図はここ)、線路を挟んで駅舎の反対側は崖になっており、その下にも田圃が広がっている。ホームに立って見ると、右手には険しい山が迫っているが、正面左手方は視界を遮るものがなく、電車の向こうに空が見える。急坂の終端駅としては別所線の終点別所温泉も有名なようだが、真田の方がさらに立体的である。
駅構内の線路はかなり長さがあり、末端には朝夕のラッシュ時だけ使われる客車が留置してあった。また、逸走防止のため留置してある貨車や客車には木製のクサビが挟んであったり、レールに車輪止めが噛まされていた。
↑終端側から見た真田駅。構内を出て最初の架線柱がぐっと下がっているのに注目。 ↑左手に駅舎があり、右手には貨物ホームが延びている