橋 その3

森林鉄道の橋 木橋2


切り立った崖沿いに軌道を敷設する場合には、川や沢を越える箇所でなくても道床が確保できないことがあり、そういう地点では丸太を組んだ「桟橋」を架ける。
 地形によって、コンクリートで橋台をつくる場合(上左)や、岩盤に直接木の橋脚を立てる場合(上中・右)がある。また、崖側にある程度のスペースが取れる場合、主な橋脚を谷側だけに立てる「片桟橋」にすることもある。
 集材のために一時的に設けられる作業線では、最初から道床を設けずにすべて桟橋を組んで線路を敷く場合がある。線路は地面から浮いているのだが、こうなるともう「橋」とは呼べないかもしれない(下中)。
 また、木橋は鉄橋と組み合わせて用いられることもある。下右の画像は、直線のプレートガーダーに、カーブした木橋が連続しているもの。ここは渡った対岸にスペースが無いのが理由だが、直線の橋であってもスパンが合わないために、トラスやガーダーの端を短い木橋にしていることもある。トラスとカーブした木橋を組み合わせた実例としては、芦別森林鉄道の八月沢橋梁がすごい(西裕之「全国森林鉄道」24p)。
上左=ウグイ川線助六付近 上中=ウグイ川春萩越線 上右=ウグイ川線坊主岩付近 下中=東川作業軌道 下右=助六停車場の奥(春萩線につながる橋)

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