近鉄内部・八王子線 その4

近鉄内部・八王子線 1971年3月

日永~西日野を行く八王子行き列車。3月でも、まだ鈴鹿の山並みには雪が残っている

翌3月はじめの期末試験休みには、畏友MZ君と再訪したが、このときも井笠へ行く前に立ち寄ったのである。井笠に朝着くためには京都発22時58分の急行「音戸2号」が便利なので(といっても笠岡着は3時34分なのだが、これより遅く着く夜行はなかった)、東京から出かける場合は、近鉄に寄るのが合理的、と考えたわけだ。このときはMZ君の希望で、朝の「こだま」で豊橋へ行き、名鉄パノラマカーに乗車して名古屋を目指す、というコースを辿った。

 グループとしての活動を始めていたので撮影も役割分担し、今回は35㍉はMZ君にまかせることにして、私は近鉄では6×6専門でいくことにした。それも、初めてのカラーポジにもチャレンジすることに決め、カメラ屋で中古のブロニカ用フィルムバックを買い求め、カラーとモノクロを併用することにした。じつはこの初めてのチャレンジでフィルム送りを誤って、大事なカットが二重写しになるという初心者らしいヘマをやらかしてしまったのだが。

左)近鉄四日市 中)小古曾~内部を行くモニ213+サ159 右)停車中のモニ214の脇をモニ212の引く電車が内部駅に到着する

 このときは日永周辺だけでなく、内部のあたりでも撮影したが、八王子線の西日野より奥では写していない。八王子線の線路は掘割のような天白川に沿って走っていたと記憶するが、後ろに引きがなくて、うまいカットが見つからなかったようだ。35㍉でパシャパシャ撮っていたMZ君なら、何枚か押さえているのではないだろうか。
 というわけで、それ以来、すでに40年ちかい歳月が流れてしまった。いつかは再訪してみたいと思ってはいるのだが、夜行連泊も厭わなかった青春の日のパワーは、残念ながら、もうないようだ。のっぺりしてカラフルなモ260形も、それなりに面白いだろう、とは思うのだが。

 もう一度最初から見る   下津井に行く   別の旅に同行する   猫の事務所に戻る