青梅線寸描 3

御嶽の駅は言うまでもなく御嶽登山の玄関口だが、山と川のあいだにうまく建設された駅じたいの作りにも味わいがあり、 狭い構内の貨物の待避線にホキを従えたED16がやすんでいるさまなども、模型的な好ましさがあった。ちなみに、戦争前は この地を避暑のために訪れる人も少なくなかったようで、東京・日本橋に生まれ育った詩人の立原道造は、旧制第一高等学校の学生時代、 毎年七、八月は御嶽を避暑地として読書にいそしんでいたという。たしかに、緑うつくしく、川風の爽やかなところである。

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