くじば そしてツバメたち 4


 また、廃止が近いにもかかわらず、いつも車輛の整備に真剣に取り組んでいる車輛課の人たちの熱意と使命感には、頭が下がる思いがした。あと三か月しか残されていないというのにもかかわらず、傷んだ車輛の塗装の手入れをせっせとすることなど、なかなか出来るものではない。
 そんな想い出深い井笠鉄道も、1971年3月31日をもって廃止されてしまった。最後の三日間は雨が降りやまず、「これがほんとうの涙雨か」と、出るのはため息ばかり。ぴかぴかに磨いたコッペル1号機を頭につけたサヨナラ記念列車の運転が終了すると、集まった多くの鉄道フアンは三々五々、去って行ったが、私と同行のMZ君は最後まで残って最終列車の笠岡発着を見送り、ユースホステルにもう一泊した。

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