給水柱 その4

給水柱 その4

 私鉄・専用線 私鉄で給水柱があったことが確認できる例は少ない。小型機を使用し、運行時刻にも余裕がある小鉄道の場合は、わざわざ地中に導水管を通してパイプを立てるよりも、機関車をタンクのある場所まで移動する方がコストがかからないというのが、その理由だと考えられる。東武鉄道のような大きな私鉄でも、給水柱があったのは杉戸だけのようである。そのほか、東野鉄道の黒羽には国鉄の古い型と似たものがあった。ここには木製の給水タンクがあったので、なぜ給水柱を設けていたのか謎。
 北海道の炭坑鉄道では、夕張鉄道鹿ノ谷に立派な給水柱があり国鉄並みの給水量があったが、高架水槽は持っておらず、機関区構内のどこに水槽があってどのように導水していたのか分かっていない。給水塔廃止後の日曹一坑は細めのパイプが立っているだけだったので、水道管につないでいた可能性もある。
 他に専用線では、美流渡、北日本製紙江別、昭和電工鹿瀬、日本ニッケルの西部化学前、日炭高松なども、細いパイプである。下左の日鋼浜川崎のものは根元で二股に別れており、両側の線路に給水できるようになっていいるところが珍しい。

上段左から=東野鉄道黒羽、東武鉄道杉戸、夕張鉄道鹿ノ谷、日曹炭坑一坑。下段左から=日本鋼管浜川崎工場、北日本製紙江別工場、北星炭坑美流渡、昭和電工鹿瀬。


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