給炭設備 その8

給炭設備 国鉄の石炭台


 旧国鉄では、機関区に必ず石炭台を設ける規定になっていた。給炭量が少なければ、大型蒸機が出入りするところでも国府津や沼津のように「平棚式石炭台」だけの機関区もあった(沼津は東海道線電化時にクレーンを廃止した模様)。降雪地では屋根を設ける。作業を楽にするため、貨車の入る線路を高くした「押上石炭台」(下右)も宮崎機関区などで使用されたが、広い敷地を要するので普及しなかった。
 平棚式石炭台には給水柱や給砂装置が併設されているところも多い。脚部は、大きな機関区ではコンクリートで、たいていは右上画像のように下部が吹き抜けになっているが、左画像のように部分的に壁になっている例もある。下左は1950年代後半の品川機関区であるが、石炭台の囲いだけでなく柱も木造のようだ。
上左=飯田町機関区 上右=西唐津機関区 中段左=沼津機関区 同右=横浜機関区 下段左=品川機関区 同右=押上給炭台の図(左側の高くなっている側線に入れた貨車より石炭を降ろし、右の機関車の炭庫に載せる。左右の線の高低差は、おおよそテンダーの車体高さに等しくする必要があるので、勾配が10‰なら約200mの側線延長を確保しなければならない。)

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