また、雑司ヶ谷付近は古い住宅が線路際まで立ち並び、路地を抜けたところにある小さな踏切の先は、一軒の家の玄関だったりする。つまりは、その家専用の踏切があったのだ。 「なんだか、ここらあたりだけは、時間がゆったりと流れているなあ」
ひとつひとつの家は大きくはないが、それなりの歴史を重ねているとみえて、どの家も緑の植栽を大事にしているし、なかには大きな木を大切に守っている家もある。 そんな街のなかを、都電はカタンカタンと軽やかに走っていたのだ。
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