また、横川に設置された火力発電所から6600Vの三相交流で送られてきたものを直流600Vに降圧していたそうだが、その送電線はどこにあったのか。
幼い頃の記憶では、横川~軽井沢間では黒いビニールかゴムで被覆されたケーブルが架線柱に下がっていたように思うのだが、あれがそうだったのか。
それとも線路脇の側溝にでも埋められていたのだろうか。ケーブルが引き込まれていたのは、妻面の穴だったのか。それとも地下に埋め込まれていたのか。
第三軌条への給電装置は、どこにあったのだろうか。
そして、どんな格好をした人たちが、どのように毎日の作業をしていたのだろう…と想像は果てしなく続いていく。
レールの響きで、対話の時間はまた中断する。
今度は峠を下る列車、さっきより近くを通過していくのだ。先頭のEF63重連が、坂を推進するときに比べて少しだけ軽快な音を立てて過ぎていくような気がする。