線路のある風景 6

峠のSカーブ

この峠はな
  とストーブの脇で
線路工夫は語り出す


最初はもっと左の
平らなところを進んで
トンネルになっていたんだよ

それがな あれだ
手抜き工事でよ
  落盤で 埋まっちゃったんだ

それで こっちを削って
ぐるっと回っていくようになったのよ


誰も来ない線路端で
 知られていない物語が静かに語られる

撮ったときには
思ってもいなかった
この気持ちよい曲線を描いた勾配に
再び会うために
もう一度はるばる
1000キロもの旅を することになるとは


そして こんな苦い真実の断片を
聞かされることになろうとは




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