children in the sunlight 2

中学時代に撮影に出かけた国鉄のローカル線では、「子どもと鉄道」を撮ったことはなかった。なにせ、当人がまだ十代前半の「子ども」なのだから、そういう光景に関心を持たなかったとしても不思議ではないし、おそらく機関車以外のものは文字通り眼中になかったのだ。もしかすると、車窓からは列車を見送る子どもたちの姿をたびたび目にしていたのかもしれないが、当時の私にはそれをフィルムに留めるアイデアと技術など無かった。「見えているが見ていない」状態だったに違いない。

 自分が何を撮りたいのかが明確になり、ようやく形になり始めたのは、沼尻の写真を見てから、さらに半年ほどたった後のこと。 高校生になった年の夏、北海道の炭坑鉄道を訪れた頃からである。

 この旅で、はじめて「子どもと鉄道」の写真を撮った。右上は、美唄駅近くで4110の列車を撮ろうと待ち構えていたとき、その下は大夕張鉄道の南大夕張駅のあたりを探索していた最中に出会った光景。大夕張では、線路際の柵に腰かけて汽車を見る中学生にもカメラを向けている。三井美唄では、やってくるB6を写した最初の4カットすべてに線路脇を歩く子どもが写っていて、そのうち手前の草にピンを合わせて撮っている1枚(このページの背景画像)では、追い越して行く機関車を子どもが見上げている。

 いま思い起こせば、これが「日だまりの子どもたち」の出発点であった。


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