structures 給水柱

給水柱 その1

 鉄道ファンの間では、ながらく給水柱については「スポート」という呼称が用いられているが、旧国鉄を含む鉄道現場で「スポート」という名称が正規に 用いられた形跡はない。給水柱を指す英語には、stand pipe, water pipe, water spout などがあるが、このうち spout (水の出口、噴流などを指す語)の発音は「スパウト」であり、ローマ字読みしたものをモデラーの誰かが流布させたと考えられる。
 また、英語の water spout は必ずしも我々の考える「給水柱」を指すわけではなく、給水タンクからテンダーに注水するパイプ部分も、そう呼ばれている。

 国鉄の給水柱 機関区では高架水槽から離れた給炭水線、駅構内では本線上での給水用として設けられる。給水量の確保や凍結防止のため、またウオーターハンマー現象による破損を防ぐためにさまざまな改良が加えられた。

右=磐越西線津川(1950年代末) 下=花輪線荒屋新町(1961年)

 「鉄道辞典」によると、旧国鉄で用いられたものには、管径は150mmと200mmがあり、標準型として「立管式」「3号柱」「軽動弁式」「SK式」「NK式」があった。それ以外にも「水道引弁式」「水道止弁式」「水道腕付式」「ダイアル式」「ポエージ式」「跳上式」「池上式」などがあるとされているが、各形式の構造と形状については不明で、調査中である。古いものはハンドルを回して操作するようになっているが、60年代に、機関車上からレバーで操作できるタイプ(上記SK式等)に置き換えられていったようである。


Prev      Next