腕木式信号機 その2

腕木式信号機 軽便鉄道

 軽便鉄道は、腕木式が末期まで残ったところが多い。列車本数が少なく駅の規模も小さいから、ワイヤで遠隔操作をしなくても、駅員が歩いていってポイントと一緒に手動で操作すれば済むので、コスト面でも安全面でも自動化する理由が無かったためだと考えられる。
 交換駅では、上り下り両方向の信号機が1つになっている「両腕式」がホーム上に置かれている例がある(駿遠線の新横須賀・相良、井笠の新山、部分廃止前の頚城の百間町・飯室など)。井笠鉄道では、笠岡駅入口カーブの見通しが悪いため、軽便では珍しい遠方信号機もあった。終点井原では、かつて神辺線がスイッチバック状に折り返していたため、両線の場内信号が共通の台座に載っていたが、末期には片方だけ腕木が撤去されていた。
 頚城鉄道のものは細くて背の低い木製の柱で、いかにも軽便らしい。他方、花巻の鉄道線のものはかなり背が高く、尾小屋の金平も、国鉄と同じ規格の信号機を高さだけ縮めていたようだ。
 なお、草軽、下津井、栃尾線など、軽便でも電化されているところは、早くに色灯式に変更されたようである。


上段左から、花巻グランドの場内信号、尾小屋鉄道金平の場内信号、頚城鉄道百間町(部分廃止後に片腕式となった状態)、井笠鉄道笠岡の遠方信号。下段左から、花巻の出発信号、小坂鉄道大館の場内信号、井笠鉄道新山の両腕式、井原の場内信号。
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