架線柱 その1

架線柱 catenay pole 軽便鉄道

 ごついビームや太い柱は、写真を撮る際には邪魔になることが多いし、模型でもデザイン的には扱いにくいと思う。他方、軽便鉄道や中小私鉄の架線柱には、周囲の風景と一体化して、雰囲気作りに役立ちそうなものがある。
 花巻の軌道線は、電信柱を利用していたことで知られているが、草軽でも街中の電信柱のような木の柱を使っていた。それも、加工が悪いせいか太さが一様でなく、きれいな丸い柱になっていない歪んだものが、ところどころ傾いて立っているのである。架線の張り方も、柱から伸びた一本のワイヤと吊り具でで引っ張っているだけで、いかにも接触に問題がありそうだ。
 花巻の鉄道線では、木の柱に鉄製のビームで直接吊っている。ナロー時代の小坂鉄道の電化区間は、片側から吊るシンプルカテナリー。近鉄のナロー、遠鉄奥山線などは門型になるが、左右の柱の高さが揃っていないものが多い。60年代初めの下津井には木の架線柱が残っていたが、70年代にはすべて鉄製に置き換わったようである。


上段左から=小坂鉄道、花巻鉄道線花巻グランド、草軽電鉄。いずれも1960年ごろ撮影。下段左から=下津井琴海付近、下津井福田~林、近鉄内部線、側線の終端部分の柱は反対側からワイヤで引っ張っている(近鉄内部駅構内)。いずれも1971年撮影。

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