左)日永駅構内を内部方(上の図下側)から見たところ
日永駅の風情
近鉄四日市から来た列車は、この駅で内部線か八王子線に入る。内部線側はふつうの左側通行だが、八王子線のカーブしたホームは、珍しく右側通行となっていた。右側通行にした理由は、おそらく四日市行きの列車に同じホームから乗車できるようにするためだろう。ホーム番号は図の右から1番(内部行き)、2番(内部発四日市行き)、3番(八王子発四日市行き)、4番(八王子行き)となっており、2番と3番は端でつながっている。
四日市からの列車は、行き先によって赤堀方のポイント(図の○印)を切り替えて、内部・八王子線のどちらかに入る。このポイントのみ手動だが、他はすべてスプリングポイントで、分岐のどちら側に入るかは決まっている。逆側から割り込みが可能なスプリングポイントの特徴を生かして、転轍手が一人居ればすべての操作が処理できるよう、なかなか良く考えられたシステムになっている。
この当時は、閉塞をタブレットで行っており、朝顔カプラーとあいまって、いかにも「軽便」の雰囲気を漂わせていた。
タブレットの授受は駅長の大事な任務。2・3番ホーム東端。
右)八王子からの列車が3番ホームに、四日市からの列車が4番ホームに着く。水害による八王子線の短縮により、この交換風景は見られなくなり、4番ホーム側の線路も撤去された。