西円朱別からの集乳列車が踏切で停車して信号を変える
国道の信号のところまで歩いていき、西円朱別からの集乳列車を待つことにする。あいかわらず霧がたちこめているが、おかげで運転手が手を伸ばして信号を変えて通過していく様子が鮮明に分かる写真が撮れる。
ナローの鉄道を撮り始めてから、それまでの鉄道に関する常識が揺らぐようなシーンをいろいろ見たが、こういいうのは初めてだ。今朝の奥行臼も、踏切の信号で列車の方が停まるという方式だったので、簡易軌道では珍しくない発想なのかもしれないが。雑誌の記事でも紹介されたことはないし、こんな所を狙う鉄道ファンはいないだろう、帰って仲間に自慢ができる、とちょっぴり満足。
おもしろいので、若松線の列車も同じ踏切で角度を変えて待つ。貨車を牽いた朱色の自走客車が踏切を渡って茶内へ向かう頃には、霧も少しはれて、林の背後に雪印の工場が見える程度に視界が広がった。
線路の右に立っているのが信号を切り替えるスイッチ。真横に停車し、運転手が窓から手を出しキーを差し込んでいる
昼前に西円線・東円線の列車が茶内から出て行くのだが、線路脇でなくても撮れそうな天候になったので、並行している道路からサイドビューを狙う。事前に想像していたのとはだいぶ違って、沿線には開けたところが少なく、樹木が多くて見通しがきかないのだが、その隙間を見つけて位置決めをする。ちょっと樹冠の美しく並んだ林があるのが、アクセントになって嬉しい。
東円線4番の自走客車は、空の牛乳缶を積んだ貨車を牽いているが、これは、本来ならその前のDLによる空缶回送列車で戻すはずのものである。2両程度の回送なら自走客車でも平気なので、一本運休にしてしまうということらしい。東円線は、乗客の数は多いように見えるが、運ぶ牛乳缶はだんだん減ってきていたのだろう。