浜中町営軌道 3-1

3月27日 浜中3日目その1

自走客車が牛乳缶を積んだ貨車を牽いて工場に向かう。建物は左から待合室、詰所、倉庫

上)明治の集乳所に荷卸される東円線からの牛乳缶 (中)雪印の工場。上に見えるパイプはトラックから牛乳を移すためのもの (下)牛乳缶を積んだ貨車に付いていた北海道開発局の銘板

 10時前に茶内に戻ると、ここも濃い霧で視界がさえぎられている。背景が見えないと、まったく違う場所のように思える。
 構内には東円線の集乳列車が到着していて、2両の貨車のうち一方は明治の集乳所で牛乳缶をおろしているが、もう一つは自走客車に牽かれて雪印の工場に入っていく。昨日見た西円線の列車もそうだったが、どの牧場のどの牛乳缶を、どちらへ運び込むか決まっていて、貨車に載せるときに仕分けをしているようだ。

 工場には、銀色のタンクを積んだミルク専用トラックも到着していて、隣の建物内でホースをつないで作業中である。その横で、使い古された牛乳缶を貨車からホームへ人力でおろしている。軌道の使命もあとわずかだということが如実に分かるシーンだった。

 工場から駅に戻って、線路脇にある小さな待合室でパンを食べていると、リュックと三脚を担いだ人が現れた。簡易軌道で初めて会う鉄道ファンである。釧路を朝発ってきたのだろう。詳しい情報を持っていないらしいので、待合室の列車時刻表を前に、どれが自走客車で、どれがDL牽引か、ミルクタンクはどれか等々を教える。

 霧が晴れる気配はないが、駅の周辺に居てもぱっとした写真はとれないので、西円朱別からの集乳列車と、若松線からの貨車を牽いている自走客車を撮るために、国道の踏切へ向かうことにする。初日に列車の中から見た、列車が停まって信号を切り替える様子、あれを撮っておかねば。

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