標茶町営軌道 3

3月24日 標茶その3

日本輸送機製DL。後方の建物は軌道事務所と待合室。
さらにその奥に見えているのが町営の自動車修理工場。

側線にはボギー貨車がずらっとならんでいた。腰が低く、なかなかよいプロポーションである。これに牛乳缶を積んで走るところが見られればうれしいのだが、そういう光景は何年か前に消えてしまったようだ。幌つきの二軸貨車もある。その横においてあるDLは日本輸送機製。このメーカーの製品は貨車移動機や鉱山用のバッテリーロコなどが多かったようで、ナローのDLは私は他で見たことがない。昭和29年製、製番22973というプレートが付いていたので、その頃はあちこちに同型の機関車を売っていたのかもしれないが。

 雪に埋もれたターンテーブルの先に機関庫がある。この庫は妻面でなく側面の壁にシャッターがあり、横から突っ込むようになっていた。奥行きは短くなるが、簡易軌道の小さな車両には、この方が都合が良いのかもしれない。No3という機関車が外に放置されている。庫内のKATOはランプがいっぱい付いているのが楽しい。隣の庫には自走客車が1台。庫の横や線路脇の小屋には、小さなモーターカーが置いてあった。窓からストーブの煙突が突き出ている妙な客車の廃車体がある。
 なぜか線路上に除雪自動車が置いてあり、壊れた消防車も見える。線路脇に町の自動車修理工場があって、構内はそこが扱うクルマの置き場にもなっているようだ。町営の修理工場というのも珍しく感じたが、北海道では除雪車の保守は人命や生活に関わる仕事だから、軌道を走る車両と一緒に町で面倒を見るのは合理的なやり方なのだろう。

ボギー貨車は全長3.6m、4.5m、5.4mの3タイプがあった。図は3.6mのもの。妻は巾15cmの羽目板をアングル材で固定、内側も同じ場所に鉄板を張ってボルトで締めている。側板はロックを外すと倒れ、ショックを和らげるため細い鉄板を下端でカールさせたダンパー(あおり戸受け)がちゃんと付いている。線路からの高さは測っていない。台車はアーチバー。簡易軌道で見た貨車で最もスタイルが良い。写真は前ページ

加藤製の6tDL。ランプが4つ、
後ろの窓は2つともワイパー付き

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