遠山森林鉄道 5
地図
藤の花

梨元の起点から中根まで2km、須沢まで4.5Km、柿の島まで6kmである。 この区間には68.5mの上村川橋梁、47mの「ながとろの橋」のほかに、小さな橋で沢を渡るところが10箇所以上ある

午前中に歩いた6kmの間で、よい走行写真が撮れそうな場所は3箇所しか見つからなかった。セメント列車を撮った二の瀬の大カーブと、 5km近辺で川が蛇行し狭い谷になっている場所(勝手に須沢の大カーブと名づけた)、そして高くて怖い橋(通称ながとろの橋 *)である。 列車の数が少ないので、なるべく既発表のものとは違う場所で、できれば異なる印象のカットが複数撮れそうな場所を選びたい。

 空の運材台車を牽いてくる列車は橋で撮ることにして、河原に下りる道を見つけ、真横から撮れる地点で列車を待つ。あたたかい光が 谷いっぱいに満ち、藤の花が陽光に映えている。川は、かなりの水量でうねりながら滔々と流れている。やがて、森林組合のモーターカーと、 コンテナを繋いだ空車が続行であがってきた。モーターカーに乗っている人がこちらを見て身を乗り出し何か叫んでいるが、瀬音にかき消されて何も聞こえない。

*「ながとろの橋」は遠山川本流を渡る最初の橋梁だが、大きなものでは梨元から2つ目。そのせいか、営林署の資料でも「遠山川第二」としているものがあり、橋のたもとの看板にも「第二」と書かれていたことがある。 建設当初の名称は「第一遠山川」だったものが後に「遠山川第二」とされたらしき形跡があるのだが、改称に関する資料は見つかっていない

橋を渡る

ながとろの橋は、橋脚が不ぞろいで妙な間隔になっている。これは、木橋から鉄橋に架け替えたときに、右から2番目はガーダー部のスパンと合わなかったため、新たに一番右の高い橋脚を作ったせいだと考えられる。橋の左端は、巨大な岩に乗っている。なお、開通当時の橋については図面や写真は見つかっていないが、形態について有力な情報があるので調査中



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