けむりプロとその影響下にあった面々が仲間内で、また作品中に使用した造語および一般通例と異なる用語法は相当数にのぼるが、最近では使い手が減少するとともに、正確な意味・用法・語源等が忘れられつつあることを危惧する向きも無いではない。そこで、誤解や誤用を防ぐため用語集を編纂することにした。
対象として「けむりすと」に頻繁に使用された語彙を集めたが、けむりプロの発案になるもののうち意味・用法が難解なため人口に膾炙することの無かった語(例えばイメージオルシコン、デューセンバーグ、メッシュの理論)などは割愛した。これらの語に関しては、「われら市民芸術の旗手たらん けむりプロ"鉄道写真"を語る」(キネマ旬報「蒸気機関車」No5=69年夏の号掲載)や「ひょうたんつぎけむりかあな 鉄道語録集」同No17=72年新年特別号掲載)などを当たられたい。
語の選択基準は恣意的である。特に絶滅が危惧されている用語については見出し語の後に[危]マークを付した。なお、解説文中では敬称を略している。
あえて付言するまでも無いと思われるが、これらの用語の使用に当たっては相手が「けむりすと」であるかどうかを確認のうえで行うことが肝要である。「一般の鉄道ファンに通じない」「使ってみたら趣味界の先輩にバカにされた」等の苦情があっても編集者は一切関知しないので、予めその旨をお含みおきいただきたい。