線路のある風景 3

踏切を渡る馬


馬よ お前の目には何が映っているのか

ぬかるんだ道の足跡と轍。お前がこの街で働き始めたときから変わらない日々のことか
それとも、この泥濘の後にやってくる 乾いた春の記憶だろうか

老いた人よ あなたの目には何が見えているのか

もう誰も通わない工場の 寒々とした未来のことか
それとも、疲れた優しい馬の背で 変わりなく揺れる鞍を見つめているだけなのか

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