1976年 中国の旅

1976年の夏、ある訪中団に参加して、2週間ほど中国大陸の旅をした。当時は、まだ一般観光目的での旅行が出来ず、もちろん撮影旅行のための渡航なども不可能だった。
私自身、写真撮影は目的ではなかったので、機材に何を持って行ったかも覚えていない。団体行動なので、撮影のために勝手に動くことももちろんできない。見学先の施設は、工場以外はほとんど撮影自由だったので、そういうところで写したものを除けば、移動中のバスや列車でたまたま窓際に座って外を眺めているときに、ときおり見かける魅力的な光景にシャッターを押しただけである。

そういうわけで、蒸気機関車や鉄道を撮りに行ったのではないのだが、当時の中国は「蒸気天国」だった。上海郊外の空港に到着して市内のホテルへ向かう間に、バスの停車した踏み切りをドカドカと蒸気列車が走り抜けていく。薄暮の中の光景は、いまでも鮮明な記憶がある。
忘れられないシーンといえば、バスで移動中に見た長大な運炭列車。道路と並行して、1kmくらい離れた築堤上を重連の大型蒸気(たぶん前進型)が50両を超える貨車を牽引している。大型蒸気の走行シーンにあまり関心の無い私でも、そのシルエットの美しさには、しばし見とれる以外には無かった。

その旅で撮影したフィルムは6本ほど、200カットくらいしかないが、それは長い間プリントもせずに放ってあった。最近になって「これは何が写ってるのかなあ?」と気になってスキャンしてみると、けっこうおもしろいものがある。そこで、自分で「まあ見られる写真だな」と思うものだけを公開することにした。半分くらいは汽車は出てこないので、その点はあらかじめご承知おきください。
撮影年月日や撮影場所は、記録が無いのでわからないが、「たぶんこうだろう」と思う情報はコメントをつけてある。機関車の形式だとか、そういうことは全然知らないので、どこか詳しいサイトでも見て調べてください。すみません。


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