children in the sunlight 9

外川

1月末の日曜日に、まだ暗い中を始発に乗って、銚子電鉄を撮りに出かけた。このころは、もう終電はポールではなくてビューゲルになっていたが、電車よりおもしろかったのは、駅や線路で誰はばかることなく遊ぶ子どもたちの姿であった。

 終点の外川では、子犬を抱えた子どもがホームにやってきて走り回る。並んで犬走りを歩いてくる女の子たち。レールの上をバランスをとりながら歩く男の子。線路の中で、縄跳びをしている奴までいる。笠上黒生では、構内を遊び場にしている子どもたちを、老齢の駅長が咎めることもなく優しく見つめている。使われていないコンクリート製の防火用水に入って遊んでいる子がいる。

 これほど、子どもが遊んでいる鉄道には、後にも先にも出会ったことが無い。「陽だまり」度のとても高い一日であった。

笠上黒生

そして、このときの経験を手がかりに、何かつくれないかと皆でいろいろやってみた結果が、鉄道ファンに掲載された『陽だまりの子供たち』になった。
 自分たちとしては、画期的な作品だと思っていたが、世の中からは何の反応もなし。
 ただ、「けむりプロ」の青山さんと杉さんは、「あんなことやっちゃうなんて…」と予想以上におもしろがってくれた。

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