石炭積み込み施設 その1

石炭積み込み施設(石炭ポケットなど) その1

重内炭坑
常磐線磯原駅から約4.5km。C50や8620の走るこの専用線は、「日本風軽鉄道研究会」による作品が「蒸気機関車」70年春の号に掲載されたことがある。ある人から手紙をもらったことをきっかけに写真を撮りに行く、印象的な物語として構成されていた。その写真の一部は、小宅幸一氏の著書に再録されている。1969年に閉山。

 掘り出した石炭を貨車に落とし込む施設は、鉄道ファンには通常「ホッパー」と呼ばれているが、鉱山用語では「石炭ポケット」らしい。英語では"coal pocket"、"coal tipple"、"coal chute"等と言うようだ。("coal hopper"は普通ホッパー車のことを指す。)
 石炭ポケットにも、さまざまな形態差がある。模型雑誌で過去まとまった資料が掲載された例を知らないが、WEB上では「庶茂内模型鉄道」さんのHP内「1/80 炭鉱鉄道」に詳しい形態分類があるので参照されたし。
 小規模・零細炭鉱の場合は、ポケットを持たずベルトコンベヤなどで作業をしていた例もあるようだ。下の画像は、同じく磯原にあった炭鉱(名称不明・調査中)の2フィート専用線から、国鉄に積み替えるためにつくられていたもの。トロッコの側面下部を開けると、木の板のシュートを滑って下の無蓋貨車に落ちるようになっている。小さい炭鉱の多くあった常磐地方や北九州には、こうした簡素な施設が多くあったと思われる。

桟橋を組んで高さを確保した2フィートの専用線から国鉄に積み替える。常磐線磯原駅


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