イラストの小部屋  心象鉄道編

心象鉄道の表現にとって、イラストは非常に重要で強力な手段である。その実例としては、まず、これをあげねばならない。キネマ旬報「蒸気機関車」69年夏の号に掲載されたけむりプロの「南部軽便の夜」、井の神駅での交換風景である。

このイラストは、昨年、南軽出版局より発行された「南部軽便の譜」に彩色されたものが再録されているので、大きなサイズの画はそちらをご覧ください。もとの記事には、この風景についての解説とともに、山田泉氏(「日本風軽鉄道研究会」メンバー)による詩が添えられており、またイラストの下には、心象鉄道とイラストについて簡潔にして要を得た下記の文が付いていた。


「本誌68年6月号および夏の号に紹介した南部軽便鉄道は、鉄道に対するイメージのエッセンスから抽出されて出来てくるものなのです。もし、あなたが鉄道ファンなら、撮影旅行の折り折りに遭遇する「汽車があれば素晴らしい」と思われるような情景にカメラを向けてシャッターを押してください。だが、模型ファンならば、いつの日か、きっと創ってやろうと決心しているレイアウトのイメージ・スケッチを描いて下さい。それらの断片をつなぎ合わせ、自分なりの歴史を吹込めば、それらには生命が生まれます。それが心象鉄道です。それは写真、絵、模型、すべての表現が可能なのです。」

     南軽(未公表の断片)    細井扇郎の世界     箱庭亭正助の世界  

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